PDT(光線力学的治療)とは
Photo Dynamic Therapyフォトダイナミックセラピー 光線力学的治療の略語です。
ALA(アミノレブリン酸)という生体で作られる赤血球の原料となるアミノ酸を内服し、ALAが、選択的に毛包皮脂腺にのみとり込まれるという特徴を利用し、皮脂腺内にポルフィリンという物質をつくりださせる方法です。 皮脂腺に十分にALAの分解産物のポルフィリンが蓄積されたピークの3~4時間後に特定波長(630~635nm)の光源を一定の距離から治療部位に10数分間照射することにより大量の活性酸素を生成させ、皮脂腺に集まったニキビ菌や、皮脂腺内で増殖したその他の耐性菌やすべての雑菌を一気に駆除してしまうという治療法です。 これらの菌の駆除と同時に毛包皮脂腺に集まったポルフィリンに光を当てることで、 皮脂腺構造の破壊を同時に行う方法ですので、ニキビの原因となる皮脂分泌の増加を抑えることのできる治療方法です。 皮脂腺を攻撃し炎症を起こさせることで、細胞構築のリセットになり、細胞は再生することで本来持っていた皮脂分泌能が正常に回復していく治療ですので乾燥肌・アトピー肌などの肌質改善にも効果があります。 PDTの光はレーザーや紫外線ではなく太陽光線にも含まれる一定波長の光で、オレンジ色の可視光線です。 光そのものは単独ではエステなどで光治療としても用いられており皮膚への透過性が高いため細胞の活性化を促進し肌の再生を促す効果があります。(LED光治療 詳細はこちら) 皮脂腺の特に多い眼瞼や口唇部は炎症反応が強くでやすいため、遮光を行い照射します。 遮光を行ってもまぶしく感じる事もありますが、光に対しては次第に慣れて行くことができ、眼球や視力に影響のない波長の光です。 ALAの内服量は体重によって変わります。 照射時間や光源からの照射距離は皮脂量や病変の状態や治療段階に応じて個々によって異なり変化させていく治療ですので、PDTは専門的治療機関で経験豊かな医師のもとでのみ行われる治療です。
PDT効果・おすすめの方
様々な治療に抵抗する悪性ニキビ、おとなニキビ、悩んでいた長年の吹き出物肌の方に
今までピーリングやレーザーなど様々な医療機関や美容皮膚科で行っているニキビ治療を色々経験したが、思うような改善がなかったという方にはPDT(Photo Dynamic Therapy光線力学的治療)があります。ALA(アミノレブリン酸)という体に全く副作用のない生体アミノ酸を服用し一定波長のオレンジの光をあてる治療です。
ALAは体内で分解されると皮膚にある皮脂腺にのみ集まるという性質があり、ALAは皮脂腺内でポルフィリンという物質に変化し、ある一定波長の光に反応するという性質があります。皮脂腺にできたポルフィリンは光線をあてると活性酸素を発生し皮脂腺内に巣食った様々な雑菌を破壊します。同時に皮脂腺の破壊による再構築のため細胞活性因子が放出され細胞の修復がおこるので、バランスの乱れにより生じたニキビ肌が次第に新しい肌へとよみがえっていく効果があります。PDTは難治となった毛穴の奥にひそむニキビ菌やその他の雑菌や悪玉菌などに強力な殺菌効果があり、破壊と再構築による肌再生の引き金となる治療です。
あぶら症 脂性肌 化粧くずれがはげしいと思われる方
ALA(アミノレブリン酸)は内服すると、およそ1日で体内から排出されます。内服後3~4時間かかって皮下の皮脂腺にのみ次第に取り込まれていきます。同時に特殊な波長の光にのみ反応する光感受性物質を皮脂腺の中で一時的に合成する性質があります。
皮脂腺内でALAの分解された物質(ポルフィリン)が十分に蓄積したピークにあわせて特定の波長の光をあてると皮脂腺内では光に反応して強い炎症反応が起き、肥大した皮脂腺を萎縮させていく効果がみられ、過剰に分泌する皮脂のコントロールに大きな効果が得られます。PDTにより皮脂腺内で起きた強い炎症反応は抗炎症作用のある活性細胞を一気に励起し、肌の代謝を促し、肌新生を引き起こします。
治療期間と目安
PDTは1回の治療では不完全です。
PDTを3週間ごとに繰り返し行い、皮脂分泌が一定化し新生ニキビができにくくなるまでの平均治療回数は4回以上です。〈よくあるご質問へ〉
PDTによる皮脂コントロール目的の場合は、皮脂腺の活性を抑えていくことが目的となり、皮脂量にあわせて、3週間〜数ヶ月間隔で行います。
PDTの期間と回数は個人差があります。
PDTは強い殺菌効果がありますが、一回の治療で皮脂線の破壊や肌のリセットにはなりません。人の細胞はキズが治るように壊れた皮脂腺細胞も再生されます。
細胞の再生には約4週間かかります。そのためPDTは細胞の再生サイクルにあわせて3〜4週間間隔で行う必要があります。
またPDTは皮脂腺を永久的に破壊する治療ではなく、皮脂腺をコントロールする治療です。
有楽町皮膚科ではPDTをニキビ治療として国内で初めておこなった(Dr.ITO PhotoDynamicTherapy-皮膚科疾患への応用、皮膚病診療、2000,22,1185-90)の元で研鑽を重ねPDTの照射方法、治療方法に改良を加えた独自のPDTを行っております。
〈島本良子:光線力学的療法による痤瘡治療 ーPDTとは何か、なぜ効くか Bella Pelle メディカルレビュー社 2018.3(1) 24-27 〉
PDT開発者dr.ITOと島本 2009年
PDT治療の流れ
PDT1回治療で1ポイント
(自由診療¥10,000円(税別)以上治療1回につき1ポイント)。
ポイント6個¥5,000(税別) 12個¥10,000(税別)の値引きになります。
PDT、その他のクリニックメニューや商品購入など自由診療共通の値引きに使えます。
PDT治療の注意点
1. ALA内服時の注意点・PDT治療前の注意点
(1)ALAは内服すると、嘔気がおこることがあります。万全な体調と空腹を避け服用してください。
ALAは内服しやすいように粉の状態ではなくカプセル化したものを服用して頂いておりますが、胃の中で溶けると胃酸の亢進で嘔気を感じる方がおります。
このため空腹をさけて服用していただきます。また急激な体内の活性化のため睡眠不足や体調不良の際にも嘔気を感じることがあります。
※気分が悪くなった場合の対応もあらかじめご用意しております。改善しない場合は、スタッフへお伝え下さい。
(2)PDT当日ALA内服前後はビタミン剤サプリメント、ビタミンの多い野菜・果物・ジュースは避けて下さい。
ALA内服と同時に体内でポルフィリンの生合成が開始されますが、分解吸収が早まるようなアルカリ性の飲食物や抗炎症剤(風邪薬や鎮痛剤)また抗酸化力のあるビタミン剤やサプリメントなどを同時に服用すると分解が早まりPDTの反応が弱まったり、反応を抑えてしまう可能性があります。
治療当日はALA内服の前後は上記のような食品や薬剤の服用はひかえて頂きます。
治療が終了した直後からは上記の摂取は再開して頂いても問題ありません。
また内服したALAは約1日で分解排出されて体内には残りません。
(3)ALA内服後は顔面をはじめ露出部位は太陽光線を受けないような遮光の工夫が必要です。
PDTは太陽光に含まれる波長の光を用います。治療部位はマスクや帽子で遮光する工夫が必要です。PDT後の発赤のある状態で紫外線を浴びると色素沈着の原因となります。 ALAが体内から完全に消失するまで、PDT当日と翌1日間は肌の露出の少ない服装や遮光に注意する必要があります。ALAの分解物質がまだ残っている間に肌を露出していると薄い日焼けのような反応がおこると考えられます。
※顔面の場合は治療回数が増えると日焼け後の薄い色素沈着のような反応がみられる事がありますが、女性の場合はメイクなどの遮光で色素沈着が防げます。一過性の薄い日焼けのよう反応なのでまもなく消失しますが、当院ではハイドロキノン外用などのメラニン合成阻害剤も色素沈着には有効ですので用いております。 ほとんどの方が目だった色素沈着を起こすことなく経過しております。
(4)光感受性物質の外用療法を行っている方は、前日夜の塗布は休薬して下さい。
・ベピオゲル
・デュアックゲル
・エピディオゲル
(5)ピーリング効果のある外用療法を行っている方は治療当日夜は外用を休薬しPDTの反応が消失したら再開して下さい。
・ディフェリン
・アゼライン酸 その他のピーリング系外用等
(6)PDT治療後に、発赤部位は消失するまでの期間中、遮光の工夫をして下さい。
PDT後に発赤部に一致した色素沈着が生じることがあります。(一過性の色素沈着が生じます)
PDT治療後経過
PDT治療直後から翌日の反応
PDT直後、治療部位に一致して薄赤〜赤く反応がおこります。
照射直後の冷却により炎症による発赤は帰院時にはほとんどの方は消失していますが、発赤が強く残っている場合もありその際には照射直後に抗炎症剤を内服していただきます。また特に強い炎症反応が起こった場合にはALAを速やかに体外へ排出させるため、ALAと結合性の高い鉄剤を直後に院内で内服して頂く事もあります。
発赤が強く出現した場合でも1~3日で炎症は治まります。
またメイクは治療直後から可能ですので、治療後の反応に関しては、ほとんどの方が日常生活で気にならない程度で軽快します
ALA内服によって皮脂腺や毛孔内で産生されたポルフィリンの蓄積のピーク時に光を照射すると蓄積された皮脂腺や毛孔内から活性酸素の放出が始まります。活性酸素が皮脂腺細胞とニキビ菌や他の雑菌を破壊する反応が起こるので、照射部位がジリジリした刺激感や皮脂の分布が多い鼻周囲には拍動感や灼熱感を感じます。 照射後の反応は軽く熱をもった程度から日焼け直後の発赤まで肌質により強弱の差があります。
オイリー肌や赤ニキビが多くできている方ほど強く反応を感じる事があります。
またPDTでは乾燥肌・アトピー肌・皮脂量の低い肌や肉厚で張りのある肌タイプの方では赤い炎症反応が起こりにくい特徴があります。 ただし治療の際の反応が弱かったからといって治療効果がないわけではありません。治療1~2数週間後に皮脂・水分量を計測すると確実に数値の変化が表れております。より深い皮脂腺レベルで反応がおこるため、皮脂が少ない表層では治療直後の反応が表れにくいという事です。
PDT 2日〜数日後の反応
皮脂の多い方やニキビが多い方などはPDT後、2日後に小さな白い膿ニキビが数個〜多発して急激に出現する(好転反応)ことがあります。好転反応の小さな白や黄色のニキビはつぶれても跡が残ることはありません。
治療後2~3日めに赤にきびが大きく増大したり、ニキビの少なかった部位に小さな黄色の膿ニキビが出現することがあり、一見悪化したように見えますが、PDTによって生じた活性酸素により攻撃された細菌が一気に駆除され、また皮脂腺細胞そのものも破壊されるために生じた炎症反応の残骸が黄色の膿みとなって出現したものです。 このような反応は一時的なもので1週間ほどで消失します。 PDTの効果が確実に出現した証拠として「好転反応」と呼んでいます。
好転反応は必ず起こるものではありません。好転反応は肌質に左右され、乾燥肌・アトピー肌の方やオイリーでも皮膚に厚みや張りがある方では、好転反応はおこりにくく、また高いエネルギー照射で一気に治療を行った際などには好転反応はでやすいので、治療回数は増えても治療効果が少しずつ実感できるような照射方法での治療をおすすめします。PDT数日~10日目までに大きな吹き出物が出現することがあります。これを「反応性ニキビ」と呼んでいます。 毛包の深部で炎症反応が起こるため、タイムラグがあります。こもった感じの赤い大きな吹き出物が出現します。この時期、肌を充分に柔らかくさせておかないと反応性ニキビが消退しにくくなり、ニキビ跡の原因となります。
料金表
治療料金
ALA内服料金(治療費と別途必要となります。)
1回治療につき ※2024/7/1~11,500円(税別)に価格改定 ※複数箇所でも同一値段です。 |
PDT料金表 2箇所以上同時PDT 10%OFF
部位 | 初回 | 1ヶ月以内 | 1ヶ月以上 |
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顔面(あご裏含む) | 40,000円 | 20,000円 | 26,000円 |
フェイスライン 両頬 |
20,000円 | 10,000円 | 16,000円 |
10×10cm (下図参照) 鼻・下顎などパーツ |
10,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
前胸部 臀部 |
40,000円 | 20,000円 | 26,000円 |
背中半分 (えりあし〜肩甲骨下) |
45,000円 | 25,000円 | 33,000円 |
背中全体 (えりあし〜ウエスト部) |
55,000円 | 35,000円 | 40,000円 |
PDT照射範囲
モニター料金
有楽町皮膚科と他院PDTの比較
有楽町皮膚科と他院PDTの比較表
有楽町皮膚科PDT 赤 |
他院PDT 赤 |
外用PDT 5〜20%ALA軟膏 赤 |
他院PDT 青〜黄緑 |
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光源 | 赤LED オムニラックス633nm スマートラックス635nm |
セラビームVR630 他630nm近傍 |
630nm近傍 | アイクリア407〜420nm オムニラックス 415nm 他不明 |
特徴 | PDT専門家が対応 症状に応じた照射方法 採血データで安全な治療 肌解析や皮脂測定で客観的診断併用 |
チェーン店化マニュアル通りの治療 高額で割高 |
外用濃度を下げても色素沈着必発 ダウンタイムが長期 |
410nm 近傍の波長では毛包皮脂腺は反応しない 青LEDの殺菌効果ならALA内服不要 |
(2020年 3月)
有楽町皮膚科と他院PDTの比較
PDTは内服したALAの代謝産物のプロトポリフィリンが細胞内に蓄積されたピークに、反応する波長の光を照射することで治療が成り立っています。
プロトポリフィリンの反応する波長は実験的には、410nm、545nm、580nm、635nmの光源に吸収ピークがあります。
実験上の光の波長と皮膚組織への深達度は一致しておらず、強い反応性のある青い光は実際に皮膚の表面ではわずかしか吸収されず、ALA内服と併用したPDTの治療効果はありません。
LED青の光は単独でニキビ菌の産生するポリフィリンに反応するため、光治療としてニキビ菌の直接的な殺菌効果はあります。
有楽町皮膚科でもALA内服の不要な青い光(410nm)をニキビ治療に用いておりましたが、治療効果が乏しいため現在は行っておりません。
近年ALA内服と青い光によるPDT治療を行うクリニックが増多しており、同治療を行ったという患者さんが来院されるようになりました。青い光による治療は本来のPDTとは異なるので殺菌力以外の効果を理論的には説明はできません。
630nm近傍の赤色光以外の光源でPDT原法と似た反応が起こるとすれば、光治療器の波長に幅があるものであれば可能性はありますが、波長に幅があると光のピークに合わせた反応が起こりにくいため治療効果が弱く、繰り返し治療が必要になってしまいます。
よくあるご質問 Q&A
- Q1 ALAとは何ですか?
-
A
アミノレブリン酸:5-AminoLevulinicAcidの略称です。赤血球の赤い色素(ヘモグロビン)を作る成分で、もともと体内で合成されているアミノ酸です。植物では葉緑素(クロロフィル)の成分でもありALAは植物や動物の生命起源のアミノ酸ともいわれ、健康食品などのサプリメントや植物の発育を助ける原料として砂漠の緑地化推進事業などにも応用されております(コスモ石油HP参照)。 体重にあわせて算出したALAを内服すると選択的に毛穴皮脂腺にのみ取り込まれポルフィリンという物質を3~4時間かけ徐々に皮脂腺内で生成していきます。ポルフィリンは一定波長(630~635nm)の光を照射されると大量の活性酸素を生成する光感受性物質です。皮脂腺内でポルフィリンにより生成された活性酸素は毛穴に巣食うニキビ菌や様々な雑菌、薬剤耐性菌などに対して強力な殺菌効果を発揮します。
またポルフィリンはブラックライトでオレンジ色に光る物質です。内服したALAの代謝分解産物のポルフィリンが時間とともに皮脂腺に蓄積するのを肉眼で確認することが可能です。 ALA内服前に比べて皮脂腺の多い部位がオレンジ色に光り肌全体の感光している面積が増大してくるのがわかります。
- Q2 ALA(アミノレブリン酸)は飲んでも大丈夫なのでしょうか?
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A
ALA(アミノレブリン酸)はもともと体内で生成されているアミノ酸の一種であり、治療後は24時間以内に体外へ排出されるため 蓄積性はなく、肝機能障害や発癌などの副作用の心配は一切ありません。
ALA(アミノレブリン酸)とは人間の血液の赤血球のヘモグロビンを作る成分で、もともと体内で生成されているアミノ酸の一種です。
PDTの研究でアミノレブリン酸は皮脂腺に取り込まれやすい性質であることがわかりました。この性質を応用したものがPDTによるニキビ治療です。
ALA(アミノレブリン酸)は服用すると選択的に毛包皮脂腺に取り込まれポルフィリンという物質を生成します。 ポルフィリンはある一定の波長の光(630~635ナノメーター:自然界に存在する光の波長なので紫外線とは異なり発癌性はない安全な光)を照射すると大量の活性酸素を生成する光感受性物質です。 皮脂の過剰分泌する部分を狙って治療光を当てることにより肥大した皮脂腺構造を萎縮させることが可能です。それと同時にニキビの原因であるニキビ菌や、その他全ての雑菌を一気に殺菌してしまうという治療です。 治療後は24時間以内に体外へ排出されるため蓄積性はなく、肝機能障害や発癌などの副作用の心配は一切ありません。国内では2001年からALAの内服によるPDTが開始されておりすでに多くの方が治療を受けていますが、健康被害のあった報告はありません。
- Q3 青い光の効果はありますか?
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A
高校生のような「思春期ニキビ」の原因は主にアクネ菌によるものが多いと言われ、このアクネ菌が産生する「ポルフィリン」に反応する波長の青い光をあてる治療が以前ありましたが、効果があまり得られない事があります。波長の青い光をあてる治療が以前ありましたが、効果があまり得られない事があります。 このような青い光をニキビの病変にあてる治療が効果がえられない原因としてアクネ菌が毛穴の奥深くまでひそんで繁殖している場合や、ニキビの原因がアクネ菌以外の雑菌による場合です。 PDTはALA(アミノレブリン酸)を内服することにより、代謝された物質が皮膚のより深部にある毛穴の奥の皮脂腺に確実に到達すことができ、さらに皮膚への深達度の高いオレンジの波長の光をあてることにより、皮膚表在菌のみならず、毛穴の奥のアクネ菌や雑菌への殺菌効果が確実にえられる治療です。ニキビの治療開始時期が早ければ早いほど、高い治療効果が得られるという特徴もあります。
- Q4 長時間光を浴びて、皮膚ガンにならないの?
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A
PDTで用いる光源はレーザーや紫外線ではありません。自然界に存在する約630ナノメーター付近の波長の光で、可視光なので皮膚がん等の心配は一切ありません。
同じような波長の発光ダイオードのLEDのみ単独に照てる光治療がエステなどでもよく行われております。この波長の光は皮膚への透過性が高く真皮のコラーゲンを作る細胞の活性化が得られます。このためエステと同じ光源を使ったPDTを重ねて受けていくと肌質がより良い方向に変化していく相乗効果が得られます。
- Q5 光を照射されてる間、痛みはないのでしょうか?
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A
PDTの治療中は皮膚の毛孔皮脂腺におこる炎症反応によってジリジリ熱いような刺激がありますが耐えられない痛みなどとは異なりますので、治療中眠くなってしまう方もいますのでご安心下さい。 照射中の反応は軽く熱をもったほてり程度から日焼け直後の発赤まで肌質により強弱の差があります。
照射直後の冷却により帰院時には発赤はほとんどの方は消失していますが、強く発赤が残っている場合もありその際には照射直後に抗炎症剤を内服していただきます。また特に強い炎症反応が起こった場合にはALAを速やかに体外へ排出させるため、ALAと結合性の高い鉄剤を院内で内服して頂く事もあります。
発赤が強く出現した場合でも1~3日で発赤は治まります。またメイクが治療直後から可能ですので、発赤に関しては、ほとんどの方が日常生活で気にならない程度で軽快します。 オイリー肌や赤ニキビが多くできている方ほど強く反応を感じる事があります。
またPDTでは乾燥肌・アトピー肌・皮脂量の低い肌や肉厚で張りのある肌タイプの方では赤い炎症反応が起こりにくい特徴があります。 ただし治療の際の反応が弱かったからといって治療効果がないわけではありません。治療1~2数週間後に皮脂・水分量の計測を行うと確実に数値の変化が表れております。
- Q6 治療後は包帯やテープが必要なの?
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A
治療後にガーゼや包帯テープなどの必要はありません。照射直後は日焼けしたような赤みやほてり感が残りますが十分な冷却をしてから帰宅していただきます。またこのような変化が全く起こらない方もいます。治療後すぐにメイクをしていただくことも可能です。
- Q7 治療後、余計ニキビがひどくなることがあるって聞いたけど?
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A
PDTによって破壊された雑菌や皮脂腺から皮脂が一気に分泌される為、膿ニキビや赤い丘疹が急に増えることがあります。このような変化はPDTによる好転反応とよばれるもので、治療効果が確実にでた証拠ともいえる反応です。
【好転反応症例写真】
このような反応は一時的なもので1週間ほどで消失します。また逆に好転反応が起こらなかったから治療効果がなかったという事はなく、好転反応はその方の肌質によります。乾燥肌や、オイリーでも皮膚に厚みや張りのある方ではほとんど反応は起こらず、日数が経過していく中で自然に治療効果が実感できる事も特徴です。また高いエネルギーで一気に治療を行った場合などは好転反応がでやすいので、治療の強さについてはその都度診察し決めていきますのでご安心ください。
- Q8 体のニキビにも効果はあるの?
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A
ALA(アミノレブリン酸)を内服すると全身の皮膚の皮脂腺に行き渡ります。治療部位にのみ光を当てて行なう治療ですので顔と同時に背中などの治療を行なうことも可能です。また有楽町皮膚科では顔の治療の際、頸部や胸や肩など漏れた光が照たる部位を露出して頂ければ、追加料金なしで同時に治療が行えますので料金的にお得です。
- Q9 重度のニキビでないとPDTは受けられないのですか?
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A
PDTは肌の状態のリセットを行う治療ですので、治療開始時期が早ければ早いほど少ない治療回数で高い治療効果が得られます。 現代人は高校生のような思春期ニキビのようなニキビのなりはじめでも、なかなか治らないニキビの方が年々増加しています。その原因のひとつとして、ニキビの原因菌がアクネ菌以外の抗生剤にあまり効かない耐性菌である事が多くなっているためと考えられます。毛穴の深部に巣食う強い細菌を早期に殺菌し肌状態をリセットすることで、ニキビをつぶしたり、肌をキズつけたりせずにニキビ跡のない本来あるべき肌の状態に回復することが推奨されます。
- Q10 何回くらい受ければ良いのでしょうか?
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A
PDTは1回でも皮脂量の減少を実感できますがニキビ治療として肌質をしっかり変えていくために約3週間に1回の割合で4回以上の治療を目安にしています。治療回数はニキビの状態と肌質によって異なりますので診察でおおよその目安を提示しています。
またオイルコントロールについては、PDTにより皮脂を抑制していく治療なので何回で終了ということはありません。肌質にあった治療期間と照射エネルギーをみつけ定期的にコントロールしていくことになります。
- Q11 健康保険は使えるの?
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A
PDTは安全で美容的に優れた治療法ですが、皮膚疾患ではまだ保険診療は認められておりません。眼科では眼球の変性疾患や外科では早期癌治療に、ALA(アミノレブリン酸)の静脈注射と半導体レーザーを用いた治療が保険認可されています。しかしながらまだニキビに対するPDTは保険適用とはなっておりません。